水泳選手のケアについて

どんなストレッチをしたらいいのか分からない、やらない、ということではいけません!

水泳は、全身の筋肉を使って動くスポーツです。特に腰背部、胸郭、肩周り、股関節、下半身のストレッチが大切です。ほぼ全身ですね。必ず運動前、運動後に行ってください。どの運動でも共通ですが、ただ、筋肉を伸ばせばいいのではなく、種目に使う筋肉を必要な分だけ伸ばすという事がケガ防止になります。

また、胸郭がしっかり動くように、呼吸で胸郭をしっかり動かし、腹筋に力が入るようにセルフトレーニングを行ってください。

ダイナミックストレッチ

「ダイナミックストレッチ」という言葉を初めて耳にする方もいると思います。
あなたがイメージしているストレッチというのは、静的ストレッチというものになります。

一方ダイナミックストレッチというのは、動的ストレッチといい、運動する前に、各関節をしっかり動かすことにより、末梢の筋肉にも神経伝達がいきやすくなり、筋肉が温まり易くなります。そのことにより、体全体が動きやすくなります。

よくプールで脚をつってしまうという話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?

筋肉が動きやすい状態(いわゆる温まる状態)になっていないのに、急激に冷たい水中で激しい運動をしようとすると、体が驚いて筋肉がつってしまいます。運動前には体を温めながら、筋肉にこれから運動するよ!と合図を送るように、ダイナミックストレッチをしましょう。

もちろん、静的ストレッチも同時に行ってください。
このときに、どこの筋肉を伸ばしているのかを意識することがとても大事です。

・体幹系

①胸郭ストレッチ
②広背筋ストレッチ
③肩甲骨周辺ストレッチ
④腸腰筋ストレッチ

・足系

①ふともも前面ストレッチ
②ふともも後面ストレッチ
③ふくらはぎストレッチ

選手に覚えておいてもらいたい事として、競技前は完全にほぐし過ぎてしまったり、ストレッチをし過ぎたりすると、筋肉や腱など緩み過ぎが起き、筋力発揮の40%が落ちてしまい、力が入りにくくなってしまいます。そのため、レース前は関節の動きをスムーズにする程度にしましょう。

各泳法の特異性

・クロールと背泳ぎ

ボールやチューブなどを使い、軽く肩関節のインナーマッスルを動かすのも効果的です。また、各筋肉がしっかり働くように、一度筋肉を引き締める「締め」というのも行う方がより良いです。

・バタフライ

その独特のフォームからオーバーユースによる筋膜性腰痛や腰椎の疲労骨折が多い種目です。肩関節や股関節の柔軟性が不十分だと腰を大きく反らして代償するので、練習前には腰だけでなく肩関節や股関節のストレッチを入念にしましょう。また、練習前に体幹周りをほぐしすぎてしまうと、力が入りにくくなり余計に腰に負担がかかってしまうので注意して行いましょう。ストレッチというより、体幹は腹部のインナーを軽くトレーニングして温めるくらいがベストです。

・平泳ぎ

深く膝を曲げた状態から伸ばすキックの動作で膝の靭帯や半月板を痛めやすいです。股関節の可動性、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)や内転筋(太ももの内側の筋肉)の筋力バランスが非常に重要となります。

また半健半膜様筋(太ももの裏側の筋肉)の筋力が弱いまたは、疲労によって正常に動かないと「ニーイン・トゥーアウト(膝が内側を向き、足先が外を向いている)」の状態になりやすいので、練習前に股関節から下側にある筋肉を動かし温めておきましょう。

泳いだ後のストレッチ

水泳は全身を使います。あなたが思っているよりも体は疲れています。特に関節周囲や大きい筋肉がある体幹の疲労度はとても高く、乳酸などの疲労物質が溜まっています。この状態を放置してしまうと、筋肉の柔軟性が失われ、骨盤や背骨の歪みの原因にもなってしまいます。

その結果、代償運動をすることになり、ほかの部分を痛めてしまうことにもつながります。そのため、泳いだ後には、クーリングダウン*を行って下さい。*激しい運動をした後、心身を平静に戻すために行う軽い運動のこと。

ストレッチや軽い運動を習慣付けることで、疲労物質を除去するだけなく、バランスよく回復することができます。私が考える軽い運動というのは、陸上であれば10~15分くらいのウォーキングやジョギング、一番いいのは、軽く、ゆったりと泳ぐことができたらさらにいいですね。

静的ストレッチ

静的ストレッチはすべてのトレーニングや練習終了後の疲労した状態の時にやりましょう。筋肉は疲労すると収縮する性質があるので、10秒以上の静的ストレッチで筋肉を伸ばしてやることによって、神経反応も抑制され、血流を促進し疲労回復を早めます。また、体が硬い、血行が悪い人は筋緊張状態の緩和を目的として、ストレッチ+ジャグジーをするのも良いでしょう。

そして、運動後だけではなく、運動の合間で筋肉が極度に疲労して張った状態になった時なども、静的ストレッチで軽く伸ばすといいです。そして、また泳ぐときは、ダイナミックストレッチで全身運動した後にプールに行きましょう。

ストレッチをするときのポイントは

1、痛くない程度
2、反動をつけずにゆっくりと伸ばす筋肉を意識して行う
3、呼吸は止めずに少しだけ吐く方を長めに行う
ことが大切です。

代表的ストレッチ

⚫体幹系

①胸郭ストレッチ
②広背筋ストレッチ
③肩甲骨周辺ストレッチ
④腸腰筋ストレッチ

⚫足系

①ふともも前面ストレッチ
②ふともも後面ストレッチ
③ふくらはぎストレッチ

足はポンプの役割として血液を送り出す第2の心臓とも呼ばれています。そのため、足に乳酸も溜りやすくなってしまいますので、しっかり伸ばしましょう!そして、運動でいじめた筋肉を回復させる為にたっぷり栄養を摂取し、余計な疲労物質を排出して栄養分が届きやすいようにしてあげる必要があります。

各泳法の特異性

・クロール、背泳ぎ、バタフライ

ストロークの繰り返しによる肩関節の炎症(水泳肩)が起こりやすいので、肩甲骨周りや腕、体幹のストレッチを入念に行いましょう。特に首から肩甲骨にかけて付着している肩甲挙筋や僧帽筋上部(肩甲骨周囲にある筋肉)、大胸筋(胸にある筋肉)が硬くなり過ぎると、肩関節を痛めやすいのでストレッチやマッサージでその日のうちに疲労を取りましょう。

・平泳ぎ
足を開いて、閉じての繰り返しで進んでいく平泳ぎは、股関節の可動域と動き、太ももの筋肉の働きが練習前の状態に戻るように、練習後は筋肉をしっかり伸ばし筋緊張を取りましょう。

泳いだ後のおすすめケア

泳いだ後は、筋肉の疲労が溜まり、体が重くなりますよね。それを放置しておくと、次の日の身体の重さやパフォーマンスの低下にもつながります。

それを防ぐために、プールサイドでストレッチや疲労回復のための軽い泳ぎを必ず行ってください。
その他、運動後に行う事として、上記以外にも色々な事がありますが、「リカバリー(回復)の為のケアを忘れてはいけない」という心構えが一番大事です。それが長く水泳を楽しむコツだと思います。

<水分摂取、栄養補給、休息>

簡単に出来る事は水分摂取、栄養補給、休息です。
筋肉の修復は、グルタミンというアミノ酸が入ったサプリメントを摂取したり、サウナ、酸素カプセルや交代浴などでしっかり血行促進したり、水素水を吸収して活性酸素や疲労物質を徹底的に排除するのもいいと思います。

最近では、先進医療Bとして厚生省に認可された水素ガス吸引なども医療として受診する事ができます。

また、水素吸収という面では、水素風呂もおススメです。

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<アイスマッサージ>

セルフケアとして、アイスマッサージがお勧めです。
アイスマッサージは、氷を入れた氷嚢を直接筋肉に当てて動かします。
最初に、腰や背中、胸というような大きい筋肉に対して行ってから、腕や足を行うとより効果的です。

アイスマッサージ

治療院でケアを受ける際は、自分の競技特性に合わせたケアを受けることがベストと言えます。そのため、どの種目をしているときに、どの部分が辛くなるのか、どこに疲労が溜まっているのか説明してください。

一つの目安ではありますが、

クロールや背泳ぎ ⇒ 肩
平泳ぎ ⇒ 膝と腰
バタフライ ⇒ 腰

上記の筋肉や関節をより動かさなければならないので、特に負担がかかってきます。その負担をかばう様に、他の筋肉や関節が頑張ってしまい故障するケースが多いです。

<当院の施術>

負担のかかった筋肉や関節に対して、骨格の歪みを改善したり、電気療法やマッサージを行い、負担を取っていきます。

インディバ・アクティブという最新マシンを用いて体内温度を上げることで血液の循環をよくし、引っかかっている筋肉を緩めることができます。また、痛めている筋肉の修復もかけていきます。日本代表競泳陣も遠征に持っていく、急性期から慢性期まで対応可能なマシンとなっています。

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PNF電気施術で全身の筋肉をほぐし、O2オイルで各部位に酸素を浸み込ませます。酸素不足になっていると、筋肉が硬くなり、血流が悪くなり、筋肉の働きが弱くなるため、翌日に疲労が残ってしまうのです。(高濃度酸素オイルが乳酸や老廃物などの分解を助けてくれます)

グローブ療法

鍼灸施術で細かい筋肉までアプローチも行います。

鍼

見落としがちなのが、骨格のアライメントを正しい位置に戻すということです。股関節の可動域制限や骨盤の傾きなどが左右で異なっていると、水中でもバランスが崩れることに繋がります。たとえば、息継ぎの首の向く方向、右と左のキックの感じや強さが違うなど、左右のアンバランスがあると思いますが、これらを改善するようにしています。

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